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アロマセラピーの秘密


アロマセラピーを勉強しているとまず初めに登場するキーワードと言ってもいいかもしれません。《ホメオスタシス》私たち生命のバランスを保ってくれている仕組みを指します。


ただのリラクゼーションに生命のバランスを保つという考えが出てくることに驚いたでしょうか。日本では美容や生活の質向上的な扱いでアロマセラピーが浸透していますが、世界をみるとメディカルと非常に近しい立ち位置でアロマセラピーを利用している国も存在します。もちろん日本では医療とは別物とはっきりと区別されていますが、近年、アロマセラピーにおける有用性を認め補完療法として積極的に取り入れるお医者様もいらっしゃるのは事実です。


同時に正しい知識を持たずにアロマセラピーを過信しすぎることは危険だとも言えます。アロマセラピーが西洋医学と同じということではなく、西洋医学が得意な分野、アロマセラピーが得意な分野それぞれを柔軟に利用して健康体を目指しましょうという、統合医療という考え方に立ち、必要な時に必要な医療やサポートを私たち自身で選ぶことが大切です。


そのためには、体の仕組みについて知っておく必要があります。ここではアロマセラピーを軸に私たちの健康知識を深めていこうと思います。


話を元に戻して、私たちの体内は外の環境に左右されずに一定の状態を保ち続けようとします。その仕組みのことをホメオスタシス=恒常性といいます。どのように一定に保っているのかというと、《自律神経系》《内分泌系》《免疫系》この3つによってちょうど良いバランスを保っているのです。


この3つは、脳にある視床下部という部分が管轄しています。簡単に1つずつの働きを見てみましょう。

自律神経系:電気信号と神経伝達物質により交感神経や副交感神経を切り替え、筋肉や内臓をコントロールする

内分泌系:ホルモンの働きを担当

免疫系:ウイルスや病原菌に対して体を守る働きを担当。防御機能。


これは個々に独立して機能しているのではなく、自律神経系の乱れが内分泌系、免疫系に影響を及ぼす、内分泌系の乱れが他の2つを、免疫系の乱れも同様です。それぞれ連携しながらホメオスタシスを保っています。


健康でいることを目指すのであれば、この3つ全てにおいてちょうど良いバランスで上昇させていくことが大切です。そのためにはまずこの3つを管理している視床下部についても、知っていきましょう。


視床下部とは脳の中心部下、間脳という部分に含まれる脳の器官です。

①自律神経の中枢

②体温調整の中枢

③摂食の調整

④血糖値や血圧の調整

⑤体内水分の調整(→体液情報から免疫系の調整も)

⑥下垂体機能の調整

⑦サーカディアンリズムの調整


たくさんの仕事を任されているということがわかりますね。詳細については別の投稿を確認いただくとして、とにかく視床下部は体温調整や摂食調整などといった、生命維持に欠かせない大切な役割を担っています。


この視床下部、間脳という部位は、本能を司る大脳辺縁系に隣接しています。ここは「生理的に無理!」とか「何かわからないけど好き!」というような「快」「不快」を判断している部分です。そしてこの「快」「不快」の感情がお隣さんの視床下部にも影響を与えていると言われています。


例えば、マンションのお隣から毎日毎日騒音が聞こえるとしたらどうでしょう。気が滅入るのは想像できますね。さらには不眠に悩まされ日中のパフォーマンスが低下するかもしれません。同じように「不快」が長期間続くと視床下部の働きも低下します。つまり3つのバランスを管理しているパート(視床下部)がうまく働けなくなり、結果3つのバランスが崩れ不調が引き起こされます。


この流れでいくと、常に「快」を見つけ感じられることは健康でいられるための一つのスキルです。このストレス社会で「快」を感じ続けるには、人によっては訓練や思考の習慣化、何かしらの努力が必要だったりもします。ただアロマセラピーの可能性はここにあります。


視床下部は大脳辺縁系のお隣であるとともに、匂い成分を電気信号に変換する器官(嗅球)の近所でもあります。視覚や味覚の情報は一旦理性を司る大脳皮質という部分に送られ、「これはりんご」「この味はいちご」と言った判断をしますが、嗅覚に関しては、大脳皮質よりも、視床下部に先に伝わると考えられています。つまり、アロマセラピー(香り)は視床下部に刺激を与え、3つのバランスを司るホメオスタシスへも良い影響を与えられると考えられています。例えば「快」を見つけることが苦手な方も、自分が良い香りと感じる香りを嗅ぐことで視床下部へ良い影響を与えることができるのです。


こういった経緯でアロマセラピーは単なるリラクゼーションの域を超え、多くの人々のお悩み解決や健康に役立てられているのです。






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