4回にわたりアロマセラピーの基本、精油についてご紹介しましたが、精油が何者かお分かりいただけましたでしょうか。正体がわかると今まで以上に愛着が湧きますね。
少しずつ精油について理解を深めてきましたが、植物から採られる精油、実際どうなってあの香りのしずくになるのでしょうか。今日は精油の抽出方法についてご紹介します。
その前に、植物のどこに精油があるかについてです。精油は植物の油細胞といわれる細胞に詰まっています。
山椒の葉をパチンと叩くと爽やかな香りがしますよね。これは叩くことによって、葉にある油細胞を壊して香りをだしているのです。この油細胞、植物によって葉に多くあったり(ローズマリー)、根に多くあったり(ベチバー)、と言った具合に植物によって存在する場所が違います。
植物によって精油の抽出部位が異なるのはこのためです。また同じ植物でも、抽出部位によって香りが違い、精油名が異なることもあります。(葉から抽出したらプチグレン、花から抽出したらネロリ)
さて本日の本題、抽出方法について。ここではとっても簡単な解説をしていきます。
①水蒸気蒸留法
②圧搾法
③溶剤抽出法
④超臨海抽出法
昔は、アンフルラージュ法やマセレーション法(油脂吸着法)といった伝統的な手法で精油を採っていましたが、時代とともに③溶剤抽出法へと切り替わりました。
植物の多くは①水蒸気蒸留法で抽出されます。
まず大量の植物を大きな窯に入れて蒸します。その蒸気を冷ますと精油が取れます。(その時に同時に取れるのが、フローラルウォーターです)分子の大きい成分と熱に弱い成分は抽出されづらいです。
②圧搾法は主に柑橘系の香りを採る時に用いられる手法です。
漢字の通り絞られて採られます。笑 不純物も含まれますので、この手法で抽出された精油は比較的劣化しやすいとも言われます。
③溶剤抽出法は、揮発性の溶剤と一緒に植物を入れて、精油成分を取り出す方法です。熱処理をしないので熱に弱い成分も抽出できるのが特徴です。主にデリケートなお花の精油を摂る際に用いられます。この手法で取られた花の精油はアブソリュートといい、Absとも表示されます。樹脂の場合はレジノイドと呼ばれます。
④超臨海抽出法は、二酸化炭素を使った抽出法です。二酸化炭素に圧をかけ、液体と気体の中間状態にします。その状態の二酸化炭素は植物の香り成分をとてもよく吸収するので、その後気体に戻し精油を抽出します。植物本来の香りそのまま楽しめるのが特徴ですが、装置が高額ということもありあまり普及していません。
イメージできましたか?同じ植物でも抽出方法の違いで香りと精油名が異なります。①水蒸気蒸留法で取られた精油はローズ・オットー、ふんわりと優しいローズの香りがします。対して③溶剤抽出法で取られた精油はローズ・アブソリュートといいます。ザ・ローズというような、くっきりはっきりとしたローズの香りです。
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